仮面うつ病とは,心の症状はそれほど目立たず,体の症状が前面に出てきます.
    ゆううつな気分が少ないために,うつ病と判りにくく治療が遅れる原因にもなります.
    特にこの数年,仮面うつ病や,軽症うつ病が非常に増えているといわれています.

 

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近年増加している,仮面うつ病,軽症うつ病

 バブル崩壊後,多くの企業がリストラ策に乗り出し,また近年は成果主義が導入されたため,働く人の環境が随分と変りました.一方,子供たちの環境も,数十年前と比べると随分と変りました.ゆとり教育の反動で,学力低下を恐れ塾通いが加熱し,私立中学への受験も当たり前のような風潮になってきました.大人の世界も子供の世界も,ゆとりどころか,過酷で熾烈な『競争』概念が一般化されてきた,といっても過言ではない世の中になりました.


 こういった環境の変化に伴い,心の病による労災申請数や青少年の精神科受診数が増えていると言われています.

 右図は,2006年5月31日の新聞で報道された,「2005年の労災申請・認定」の数値からグラフにしたものです.当時の新聞記事では,,,

うつ病など精神障害による労災請求は年100件単位で増えており,05年度は656件で過去最多.認定された人のうち30代が39人,29歳以下が37人で計6割を占め,特に20代の増加が目立った.職種ではシステムエンジニアや製造工が多かった.』

 と報道されました.



特に近年増加し,注目されているのが,仮面うつ病軽症うつ病です.


   
会社で心を病むということ

職場の鬱から逃れるには
 「うつ病」という病名が多くの人に認知され,企業もその対策に重い腰を上げるようになってきました.しかし,いまだに「うつ病は心の弱い人がなる病気」「自分には関係がない」と思っている人が多いのが現実です.この誤った考えがある限り,どのような対策を講じようと,「うつ病」を予防することはできません.
序 章 会社で心を病む人たち
第1章 心のメカニズム
第2章 なぜ会社で心を病むのか
第3章 現実とのミスマッチ
第4章 精神科産業医の処方箋
第5章 心のホットライン
第6章 もう会社で心を病ませない



成果主義とメンタルヘルス

心と命を壊さず働くためには
 こんな解説書も出版されています.真面目な社会派の内容です.
 日本経済の形態が変わったこと…グローバル化の波に押されて,成果主義が加速的に導入されましたね.自己成果を補うためにサービス残業も増加…けれども賃金が必ずしも努力に比例しない昨今の経済状態が,働く人たちの心(脳神経系)にダメージを蓄積させているのだと私は思います.このサイトを読んでくれてる方,あなたはグローバル化・成果主義のこの経済動態に,ついて行けていますか?
1章 成果主義の労働現場から(手記)

2章 成果主義と心身の健康悪化
1 「心の病」の労働者が急増(診断事例から)
2 状態悪化の指標から

3章 成果主義が「ストレス因子」を高める
1 成果主義と「心の病」の因果関係
2 ストレスに大きく影響する「評価への納得感」
3 いわゆる「過労自殺」の症例研究から
4 長時間労働は「心の病」を増やす
5 労働時間が減っても、「質的ストレス」の悪化
6 過労自殺の因果関係(人事雇用システムから自殺へ)
7 目標管理制度は躁うつ病も増やし得る
8 成果主義は格差を生み職場の活力を削いでいる
9 「ホワイトカラー・エグゼンプション」の問題点

4章 「心の病」を減らし,起こさない取り組みを
1 成果主義の下での働き方を考える(あるSEの例)
2 「ワーク・ライフ・バランス」とメンタルヘルス
3 諸外国の模索
4 労働組合の取り組みなくして解決なし
5 孤立と分断から連帯と人間性の回復へ




 先のページで述べたように,うつ病の症状には大きく分けて,精神面に出る症状と,身体面に出る症状に分けられます.

 このうち,ゆううつ感などの精神的な変調が目立たず,全身の倦怠感,食欲低下,肩こり,腹痛など,身体的な症状の方が顕著に出るうつ病のことを一般的に『仮面うつ病』と呼んでいます.うつ病本来の精神面の症状が,身体・肉体的な症状という「仮面」の下に隠れてしまっていることから,この名称が使われています.

 筆者の場合も,深刻な大うつ病の段階に進行する前,人生で初めての肩こりに悩みました.マッサージや入浴などでは改善されず,必ず精神的に辛いときに,肩こり症状が数日間続きました.このとき,もっと早く精神科・心療内科を受診していれば,うつ病の進行を食い止めることができたと思います.



 実際の診療の場合,仮面うつ病という病名は滅多に使われず,軽症うつ病,または抑うつ状態・うつ状態とも診断されるようです.身体症状から,正式にメンタルケアが必要と判断されれば,早期発見・早期治療により,心の病は回復も早く進みます.

 ですが,実際多くの人が筆者のように,身体症状は「ただの疲れ・肉体疲労」とあなどって考えてしまい,まさかうつ病のシグナルだとは思わないのが多いようです.そのため,内科・整形外科などに受診し,治療を受けても症状が改善されないまま,病が深刻化してしまうケースも少なくありません.



仮面うつ病の早期発見ポイントを挙げます.
  ・体の症状に悩んでいるが,検査をしても原因不明
  ・内科,整形外科で治療中だが,一向に改善されない
  ・病院めぐりをしている
  ・複数の科を受診している
  ・身体症状に日内変動がある
   (午前は調子が悪いが,夕方以降に元気になる)

 ここまでは,患者さん本人が自覚できる症状です.


注意すべきは,日常の行動の変化です!
  ・朝,新聞を読まなくなった(朝刊シンドローム)
  ・いつも見ていたTVを見なくなった
  ・好きな趣味に取り組まなくなった
  ・外出をしなくなった
  ・化粧をしなくなった
  ・仕事に集中できなくなった
  ・仕事でミスが多くなった



 もし上記の項目に合致する人,前のページで紹介したような,「うつ病になりやすい性格」である人,大きな環境の変化などがあった人,そして身体症状がなかなか改善しない人,,,精神面での症状が出ていなくても,もしかすると,心の病,仮面うつ病の場合が考えられます.心当たりのある人は,専門医に相談してみましょう.